ルービックキューブ

Speedcubing Advent Calendar 2019 / 4×4 Yau Method tips

投稿日:2019年12月8日 更新日:

ども、さじーです。

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2019 8日目の記事として掲載しています。

Contents

はじめに

アドカレについて

今年もSpeedcubing Advent Calendar (アドベントカレンダー、通称アドカレ)のシーズン、12月がやってまいりました。2013年以降毎年続いてきて、早いもので今年で7回目となりましたね。このブログでは2017年、2018年と2回に渡って書かせてもらっています。アドカレの説明はすでに過去にしている(2017年の記事参照)ため今回は割愛します。「アドカレって何?」という方は是非そちらからご覧ください。

2017:【玄人向け】Speedcubing Advent Calendar/ 3×3 tips【CFOP】
2018: ルービックキューブ Advent Calendar 2018 / 5x5speedにおけるラスト4エッジ解法について

当ブログとしては3回目となる2019年の今回、12月8日分として担当させてもらうこととなりました。

ちなみに7日目はまっさんによる Cube Explorerの使い方!ダウンロードから基本機能の使い方、手順作成まで徹底解説
9日目はユリノキさんによる スキューブの指使いについて
となっています。

今回のテーマについて

今回のアドカレは、4×4 Yau Method tips というテーマで書くことにしました。

これ以外にも今年のテーマは何にしようかと色々考えを巡らせてみたのですが、どれもしっくりくるものがないという感じで、最終的に残った2択でアンケートを取らせてもらいました。やはり「佐島と言えば4×4」というイメージを持たれてるのかな。今年はつい先月の日本大会2019において平均sub29を捕獲し2年ぶり3度目の4×4日本チャンピオンとなったのもあり、良い機会ということで4×4に決定しました。Twitterにて投票いただいた110名の皆さま、どうもありがとうございました。m(_ _)m

選ばれなかったもう一つのテーマ「大会に強くなる方法論(改)」についてはふとしたタイミングで書くか、もしくはまた来年のテーマにでもしようと思います。

この記事を読むにあたって、4×4のYau Method(以降4Yau)をマスターしていることを前提に、その方々を対象として書きます。「4Yauはできるけれど遅い」とか「最近4が伸び悩んでいる、もっと速くなりたい」、「速くなるコツを知りたい」というような方ですね。

この記事では私さじーの主観的な部分も含め4Yauのテクニック・コツを動画主体で解説しています。

ちなみに4Yauについては私の他にも4×4現NR保持者であるすがまさん(すがまのブログ)や、私と同じ青クロスのSumさん(さむぶろぐ)、甘やかし編で有名な_(:3 」∠)_さん(蒲鉾)の記事など、他のところでもすでに色々と書かれてはいるので時間が許せばそちらも目を通してみることをおすすめします。

コンテンツは4Yauのパート順にならい、下記のようになっています。

① 対面センター
② クロスエッジ3つ
③ ラスト4センター
④ クロスエッジ4つ目
⑤ ラスト8エッジ
⑥ 3×3パート

それでは参りましょう。

※この記事では個人的事情により青クロスでの解説となります。他のクロス色の方は適宜変換するなど、ご理解ご協力の程をお願いいたします。

※動画の音量が小さめなので、適宜ボリュームを上げてご視聴ください。

① 対面センター

最初のパート、対面センターです。クロス色とその対面、つまり青と緑のセンターを完成させます。

・わりとラッキーなケース(1×2バーあり)
・アンラッキーケース(1×2バーなし)
・クロスエッジペアが保存できるケース

の3つを動画で紹介しています。

動画内でも言っていることですが、1面目のセンターをD面に作るのは非常に重要なことなので、4Yauに慣れてきたら少しずつ実践して習得できるようにしましょう。

 

② クロスエッジ3つ

Yau Methodの肝、最初のクロスエッジ3つ。
このクロスエッジ3つ目までは私自身4Yauにおいて最もタイムに大きく影響してくるパートだと思っています。ここがスムーズにいけばあとはそんなに難しいところがないというか、とにかく4Yauで最も鬼門となるのがこのクロスエッジ3つです。対面センター2面目を揃え終わる頃にはクロスエッジ1つ目が読めていることが理想です。

※これは全体を通して言えることなのですが、4Yauでは各パート間のつながりを意識するのも大事です。例えば「対面センター⇒クロスエッジ1つ目」だったり「クロスエッジ3つ目⇒センター3面目(側面センター)」だったり、こういうパート間での先読みはさらにタイムを改善できる部分です。これは3×3のCFOPと共通する部分でもあります(例: クロス⇒F2L#1の繋ぎ)。とにかくソルブ中はひたすら先を読み続けて、手が止まらないようにするということですね。

動画中でも話していますが、最近、ペアにしたクロスエッジをDLに入れるのをよく使っています。

③ ラスト4センター

つづいてラスト4センター(側面センター)です。できる限り多くのキャンセルを生みつつ手数を少なくすることと、手を止めないことを意識して素早く揃えていきましょう。クロスエッジ3つが終わってから、次に揃える3面目の側面センターは一番簡単な色から揃えていきます。

・センターパーツ3つがあるケース
・1×2バーがあるケース
・アンラッキーケース

動画中でも説明している(1:18~)ことで、私の場合3面目を終わってからx持ち替えをして手前方向にローテーションしていく(揃った3面目をB面に追いやっていく)のですが、昔からのなごりで矯正していないだけです。このx方向ローテーションをやっている人をあまり見たことがないので、普通は3面目の後はx’方向にローテーションしていく(揃った3面目をD面に追いやっていく)方がいいと思います。多分。「じゃあ動画でもそっちを紹介した方がいいんじゃないの?」という意見もあるかもしれませんがすみません、今回はあくまで普段いつも自分がやっていることを紹介する動画となっていますのでご了承ください。

あと動画中のアンラッキーケースでは紹介していないのですが、ハーフセンター(1×2のバー)を2面以上作って、その中で簡単な方のセンターから揃えていくこともあります。これも実際良いかどうかはわかりませんのでこういうやり方もあるんだなーというくらいに留めて、あとは実践で使えたらどんどん使っていってください。

④ クロスエッジ4つ目

センターが終了したらクロスエッジの4つ目です。私はここからクロス色の青面がD面になるよう持ち替え(z’)しています。
やはりここでもセンター終了時にクロスエッジ4つ目をしっかり読むようにして、少しでも手が止まらないように気を付けましょう。

クロスエッジ4つ目がU面、E層(2段目or3段目)、D面のどこにあるかによってパターン分けし、動画にしてみました。

D+UやD+Eのようにクロスエッジ4つ目の片方がD面に1個入っているケースは、いったんスライスを戻し、そのエッジをE列に出してきて、あとは通常通り揃えるという過程を踏みます。やや手数がかかってしまいますが仕方ないです。センター終了時にこの場所にクロスエッジ4つ目が入ってしまっていることをしっかり読めていれば、スライスを戻すところも含めてよどみなく回せると思います。

⑤ ラスト8エッジ

ラスト8エッジはコーラ式(3-2-3)の要領で揃えていきます。
最初のスライスをUwにするかU’wにするかでちょっとした議論となっていましたが、今のところ私は100%U’wから始めています。

これに関しては色々言われてますが正直ほんとにどっちでも大丈夫だと思います(個人的見解)。好みという感じですね。

イレギュラーケースについてだらだら喋ってしまったのですが、つまるところイレギュラー回避方法は色々ある中で使いやすいものを使うと良いと思います。

こちらの動画で紹介している例外イレギュラーケース、このときだけはUwから始めた方が良いのではないかと思っています。当然ですがUwとU’wどっちかしか使っちゃダメということは全くないので、ケースに応じて臨機応変に両方使えるのが一番良いです。私はまだ実践でUw使えていないので今後の課題にします。

 

ラスト2エッジ

ラスト2エッジ(2点交換)が残った場合には以下の動画のように処理しています。

動画の中で紹介してる専用手順はこちらです↓

・Rw U2 Rw D R’w U2 Rw D’ Rw2
・Rw2 D R’w U2 Rw D’ R’w U2 R’w

この2つはもともとはまだ私が遅かった頃にiidaさんから頂いた手順です。両方とも実践で使ってます。

・Rw’ F R F’ R U’ R’ U r

こちらはうえしゅうさんから頂きました。x’持ち替えをしなくて良い点が優れている手順で、まだ使えてないけど今後使えるようにしたい手順です。

⑥ 3×3パート

最後のパート、3×3パート。3が得意な人が必然的に有利なパートとなります。
ラスト8エッジの最後の手順を回している間にはF2L#1を読むことを心掛け、よどみなく3パートに繋げていきましょう。

F2Lは私の2017年版アドカレ記事で書いている部分でもあるので、時間があれば是非読んでみてください。

op(OLLパリティ)やpp(PLLパリティ)は出さないことが目標ですが、出してしまった場合は、さむぶろぐの2018年版アドカレ記事

4×4 OP-OLLパーフェクトコンプリートガイド
4×4 PP-PLLパーフェクトコンプリートガイド

を読んで対処しましょう。私自身、上記の記事にかなり助けられました。
op-OLLやpp-PLLはパターンを覚えるだけでなく、それを使いこなせるレベルになるまで相当数練習しないといけないので大変ですが、要は”慣れ”と”経験”がものを言う種目なので頑張りましょう(私もまだpp-PLLの判断が完璧でないケースがいくつかあります、、)。

3パートではあまり書くことがないので、私のopとppの回し方を紹介しておきます。

opの回し方

昔からのなごりでU2は全部左のダブルトリガーで回しているのですが、これから速くなろうという人は右ダブトリと左ダブトリを併用した方が速いし安定するんじゃないかと思います。なのでこれは参考にしない方がいいです

ppの回し方

この右薬指を引っかけて回すr2ですが、3×3のM’2も同じ指使いでやっています(Z-permとH-perm)。薬指中指のダブトリ(通称薬中トリガー)でM’2をやるのが苦手な人は一度この回し方を試してみるのが良いかもしれません。左ダブトリのU2とセットで使うとかなり速く回せると思います。

小ネタ:O-permの手順紹介

あと最後に面白い手順を1つだけ紹介しておきます。

U’ (R2 U’)x5 z’ U’ pp U
U (L2 U)x5 z U pp U’

右利きなら前者、左利きなら後者のケースだけ使える気がします。私は前者のケースはpp-Zpermを回すよりもちょっとだけ速いんじゃないかと思って、判断できた時は使ってます。もちろんz・z’持ち替えをした後のUとU’は逆順にしてもいいです。

おわりに

小ネタ:パート別練習

4Yauにおいては、パート別練習というのも1つだけ取り入れています。クロスエッジ4つ目までの練習です。タイムがsub60くらいであれば普通に崩して揃えてという完成タイムを計る練習をすれば良いと思いますが、例えばsub40くらいの時は一番タイムが改善する幅が大きいパートがこのあたりの部分だと思っていて、個人的にも結構効果があったのではないかと思っています。ラスト8エッジまでの練習でも良いと思います。あくまで自分が苦手だなあと感じている部分を重点的に練習するのが目的なので「なんか最近4のタイムが伸びないなあ」と思っているときに取り入れてみると良いかもしれません。

ちなみに私のクロスエッジ4つ目までのao12のPBは現在13.73です(頑張ればsub13までは行ける気がしています)。これくらい出せば8エッジ+3パートと合わせてsub30行けるのではないでしょうか。

参考までに、こんな表も作ってみました。

クロスエッジ4つ目まで ラスト8エッジまで 3パート 全体の完成タイム
sub38 sub54 sub26 sub80
sub29 sub41 sub19 sub60
sub23 sub33 sub17 sub50
sub18 sub26 sub14 sub40
sub14 sub20 sub10 sub30

これらのタイムは自身の3×3のタイムによっても変わってくるとは思うので、あくまで”目安”程度のものです。良かったら参考にしてみてくださいね。

まとめ

「③ ラスト4センター」でx方向ローテーションにしていたり、「⑤ ラスト8エッジ」ではU’wにしていたりと、私は少し他の上級者と揃え方が違う部分もあります。上級者がやっているやり方を完璧に真似するのが4Yauもといスピードキュービングにおける最短の方法ではあるのですが、その中でさらに自分がやりやすい解法に辿り着くこともあると思います。要は自分の中で確立した揃え方・解法があり、それを極めて速くなれるのなら別にそれでも良いので、100%上級者のやり方を真似る必要はないと私は思っています(ただしはそれなりの覚悟はいります)。他人から見て非効率だなと思う揃え方だとしても、実際はそれが自分にとっては速いこともあるかもしれません(あんまりないと思ってますが)。まだタイムがそれほど速くない段階で大部分の他の上級者の揃え方と違うのに気づけたならば、矯正した方がいいでしょう。

これは「5×5で速くなるにはリダクションかYauどっちがいいの?」とかそういう議論と近い部分もあります。一番いいのは色んな解法や揃え方を自分でやってみて取捨選択できることです。時間とモチベさえ許せば。

以上、私が今持っている4Yauのスキルのほとんどをこの記事で紹介したつもりです。盗めるところは是非盗んで自分のものにしてください。逆に「これはやらなくていいな」というのもあるかもしれません、そういうのはホントにやらなくていいです。
自分の中の軸がある程度固まっている人(sub40くらい)なら、それに新たな知識を肉付けしていく形で速くなっていくのが良いと思います。

どちらかというと私は特別なスキルや技術は少ない方で、基本的なことを愚直にやり続けてきたタイプ、練習量でカバーしてきたタイプだと思っています。脳筋
某有名キューバーは「スピードキューブを上達するコツは?」と聞かれてこう答えました。

「コツなんてない。練習あるのみ」と。

必要なことを覚えたら、あとは実践で使えるようにになるまでひたすら数をこなしていくだけ。とにかく練習がすべてです。頑張りましょう。

この記事を読んで、しっかり練習して、少しでも皆さんの4Yauが上達し、4×4が速くなってくれることを願っています。

 

それではこのあたりで今回のアドカレを締めたいと思います。
お読みいただきありがとうございました!

 

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