ども、さじーです。
今年も早いもので12月に突入しました。
気づけば平成も残り僅かです。次の元号は何になるのでしょうかね。
さて、この記事は「ルービックキューブ Advent Calendar 2018」の4日目の記事として書かせて頂いております。
Contents
はじめに~Advent Calendarとは~
2013年から始まって以来毎年続いてきて、今年で6回目となるSpeedcubing Advent Calendar。
(今年は「ルービックキューブ Advent Calendar」に名称変更となりましたが大枠は変わっていません)
このブログでは昨年も1つのテーマについて掘り下げて書かせて頂きました。(Advent Calendarの説明もそちらに載せています。ご存じない方はご覧ください)
⇒【玄人向け】Speedcubing Advent Calendar/ 3×3 tips【CFOP】
この記事を含めて、これらの記事はいわゆるキュービスト、キューバー向けの非常にマニアックな内容となっているためそれ以外の方が見ても訳が分からないと思います。
※それでも、読んでいただけるというのなら読んでもらって構わないのですが…^^ すいません。
※Advent Calendarではキューブ以外でも多方面の分野・ジャンルで作成され記事投稿されています。気になる方は色々見てみると面白いかもしれません。
ちなみに3日目はpllato54koさんによる「メガミンクスの上達法(前後半)/潤滑剤の使い方/おまけ(開封動画)」(YouTubeによる動画投稿となっています)、
5日目はuesyuuさんによる「FMCにおけるEOについて(加筆修正版)」となっています。
では、今年もまいりましょう。
今回、私は「5x5speedにおけるラスト4エッジ解法について」というテーマで書かせて頂きます。
このテーマを選んだ理由について
個人的に得意種目だから
現時点で存在するWCA公式競技18種目のうち、いわゆるメイン競技と言われる2×2~5×5。
その中で私自身の世界ランキング(WR)、日本ランキング(NR)が最も高いのが5×5です(2018年12月4日現在)。
single 54.05(WR97、NR4)
average 1:01.27 (WR113、NR3)
この記録は2018年8月のキューブキャンプ金沢2018で出したものでした。(出したときはavgでもWR100を切っていたけれど今はover100。また今月開催される日本大会2018ではsub60を出してWR100以内を奪還しようと思います)
動画はこちら↓
また、非公式では以下の記録を出しています。まだ更新できそうです。
single/ao5/ao12/ao100 = 51.86/ 55.59/ 57.19/ 1:01.03
また、tribox Contestにおいても何度かsub60を出しています。
avg58.921を出した時の動画はこちら↓
「5×5が世界最速ではないが、かなり速い人」ということはわかっていただけたかと思います。
過去のAdvent Calendarで5×5について書いている人がほぼいなかったから
3×3や4×4はそこそこ記事があっても、5×5以上の多分割はあまりノウハウが共有されていません。感覚的に。
3×3、4×4に比べて競技人口がやや減ってくるというのも理由の一つかもしれませんが。
(2015年に中島君が5×5について書いていたみたいなのですが今は見れなくなっています。残念)
ということもあり、今回一部ではありますが5×5について書いてみようと思いました。
「ラスト4エッジなんか速くないですか?」って言われたから
私の5×5ソルビング動画をよく見ている人は知っているかもしれませんが、ラスト4エッジでは少しマイナーな揃え方をしています。
そして何人かにそのやり方を見せた上で、意見をもらったことがあります。
かつて、大村君が日本トップだった頃に数年前に見せたことがあって「それ、遅いですよ」と言われてしまったのを覚えています。
しかし、5x5NR2位であり6×6・7×7日本記録保持者の飯田君とCCK2018で話していて、「ラスト4エッジなんか速くないですか?」というのを言われました。やり方を見せてみても、やはり「変えたほうがいい」とは言われませんでした。
スピードキュービングの世界では通常は独自解法、我流と言われるやり方では速くならないことが多く、世界トップのやり方を真似る方が近道だったりします。
私自身の揃え方はマイナーだと自覚していますが、手を止めずに回すこと、手数的に短くなる(気がしている)などの理由からずっと変えていません。
(一度だけ、メジャーなやり方に変えようと練習もしてみたのですがあまり速くならず、結局元のやり方を極める方に落ち着きました)
結論として、ハード面が進化してより速く正確に回すことが可能になった現在、少し手数が多く非効率なやり方でも結果としてタイムが速くなる、ということがあるのだと思います。(私のやり方がメジャーなやり方と比較して手数が多いかどうかは不明だし、前述したように私は実際速いと自負しています)
あとこれは余談ですが、5×5に限らず、こんな風に自分のやり方が明らかに他の人と異なっている場合は、自分よりレベルが上の選手に意見を求めてみるのが良いと思います。
そのためには、積極的に大会や定例会・オフ会に参加して交流を図りましょう。
そのうえで改善の余地があるのならば改善を試みてみましょう。合わないと感じるなら、元に戻せば良いだけです。
5x5speed ラスト4エッジ揃え方 解説
前置きが長くなりました。本題に参りましょう。
主にリダクションを使った解法における解説となります。
(Yau5もそこそこのタイムは出せるとは思うのですが、現時点で世界トップキューバーの5×5以上ではリダクションが主流です。今回はリダクション向けの解説をします。Yauメインの方ももし参考になる部分があれば盗んでもらえればと思います)
5×5の基本的な揃え方は以下に記載されているので、入門者の方は先にそちらをご覧ください。
⇒cube voyage(speedcubingの道 > 5x5x5)
今回お話しする内容は、そちらの5x5x5 ラスト2エッジ手順まとめの全手順を覚えていて使いこなせるレベル、かつsub90くらいの人が目安となっています(私は⑧の手順だけ覚えていなかった・・なんて言えない)。sub90は3×3でそれなりの力があればすぐ行きます。
3×3では最低でもsub15くらいを目指しましょう。もっと言えばsub12くらいまで行けていれば当然有利です。
動画解説
リダクションにおいて8エッジが完成した後は、次のような感じで揃えています。
①とにかくすぐさま「R U R2」と回し、持ち替え y’
②3点交換の要領で4エッジのうち2エッジ揃える(ラッキーならここで4エッジ全部完成して終了)
③ラスト2エッジ
いわゆるM U2 M’は使っていません。(ほぼ)
(ちなみに、6×6や7×7でも同様にM U2 M’は使っていません。
基本的に6×6や7×7のラスト4エッジも5×5と同じやり方をしています。ただ、分割が多くなるにつれてこのやり方は若干非効率になっていく気もしています)
文章での説明は難しいので例によって動画にしました。ご覧ください。
【追記】
その①の動画を見てくれたuesyuuさんから↓
「最後3エッジですが、
E’ [F R’ F’ R] Dw’ [R U R’ F R’ F’ R] Uwという風にエッジを逆に入れると、反転手順とのキャンセルが起こってより良いと思います。」
とのコメントを頂きました。やってみると分かりますが確かにこちらの方が効率的ですね。
3:33 あたりで「こっちがどうであれ」とか言ってますがそんなこともなく、判断できるならその方が速いです。
参考にしてみてください。
なお、このやり方と同じようなやり方をしている世界トップキューバーをご存知であればご一報ください。喜びます。
未収得のラスト2エッジ手順があったので紹介
ラスト2エッジで下の2つのパターンが出た場合、私はこれまでは上のパターンになるようセットアップして回していました。
が、下の2つも覚えて使えるようにした方が速そうです。
U2 R’w F2 U2 Rw2 U2 R’w F2 Rw2 U2 R’w U2 F2 Rw2
↑この手順はなぜか探してもあまり載っておらず自分で作りました。(最初にU2した後は⑧の手順を逆再生しただけ)
よければ、持ってってください。
皆さんの5×5が少しでも速くなることを願っています。
※Cube VoyageとSarah’s Cubing Siteから画像を拝借させて頂きました。m(_ _)m
おわりに~5×5のすゝめ/日本大会2018展望~
「3×3、4×4の公式記録は持ってる。でもそろそろ飽きてきた。」
じゃ、5×5やりませんか?
6×6や7×7はソルブに時間がかかりすぎるし持ち歩きもメンテナンスも難しい。そういう方にもおすすめです。
メインキューブは現時点でPicube WuShuang Mを使っています。
AoChuangGTSMも悪くないと思うのですが、少しだけサイズが大きいこと、ホールドにおいてやや難を感じるといった点でWuShuangを使っています。
【AoChuang GTS Mレビュー】
開封時の印象から「回しやすい」。さらにネジを緩めれば驚くほどスムーズに回る。WuShuang Mとの比較をすると、ほんの少しサイズが大きめで、ホールドした時の感覚が「やや丸っぽい」。AoSu GTSの印象がそのまま5×5に引き継がれたという感じ— Yu Sajima@speedcubing (@sajiminx) 2018年10月31日
まだあまり回していないので、もっと回し込めば内部研磨とともになじんできてメインになる可能性はあります。
が、とりあえず日本大会は使い込んだWuShuangで出ます。
まだどちらも持っていない人は可能であれば両方触ってみて、好みの方を買うと良いと思います。
***
今年の日本大会はJapan Championship 2018という名称で、12月22・23日に横浜にて開催されます。
参加者は250名で、過去最大の規模。
私は3×3~7×7の5種目にエントリー済みです。
日本大会目標
3 sub8.5
4 sub30
5 sub60
6 sub2
7 sub3— Yu Sajima@speedcubing (@sajiminx) 2018年10月29日
今の練習している感じからすると、達成可能性は
3×3⇒20%
4×4⇒30%
5×5⇒80%
6×6⇒50%
7×7⇒30%
という感じな気がします。
5×5は特に最近また一回り伸びた感じで、調子が良ければsub58くらいも視野に入れてます。
2ラウンドあるし、行けると思ってます。
3×3もうちょい練習せんなん。
今回も海外から数名の強豪選手が訪れるため、入賞は正直かなり厳しいです。
が、それでも5×5と6×6の2種目は練習通りを出せれば可能性は高いと思っています。
3×3、4×4もベストに匹敵するタイムが出せれば・・・。7×7はほぼ無理でしょう。
2種目くらい入賞できれば御の字でしょうか。まあ、とりあえずは記録更新を狙っていきます。
日本大会が終わったらまたレポートを書く予定です。
それではまたお会いしましょう。
ありがとうございました!
【2019/12/08追記】
2019年版アドカレを公開しました!
⇒「Speedcubing Advent Calendar 2019 / 4×4 Yau Method tips」